出入国在留管理庁のまとめでは、去年、職場からいなくなった技能実習生は9753人で、おととしより747人増え、これまでで最も多くなりました。

技能実習生全体のおよそ50人に1人の割合で、国別に見るとベトナムが最も多く5481人、ミャンマーが1765人、中国が816人、カンボジアが694人などとなっています。

職種別に見ると建設関係が47.1%と最も多く、農業関係が8.6%、食品製造関係が8.5%、機械・金属関係が7.9%でした。

技能実習生は「やむをえない事情」がある場合を除いて働く場所を変える「転籍」が認められていないため、職場でのトラブルなどで失踪するケースも相次いでいると言われています。

このため出入国在留管理庁は、「やむをえない事情」の具体例として、暴行やハラスメントを受けている場合や、重大で悪質な法令違反などがあった場合があたるとして、「転籍」を認める要件を明確にしました。

また、ハラスメントなどの被害者がいた場合、同僚の実習生も「転籍」できると認めるなど、対策に乗り出しています。

失踪者対策の現状と今後

出入国在留管理庁が行う対策では、「転籍」の手続き期間中の就労を認めるなど実習生を支援する内容が盛り込まれています。

対策では、「転籍」の手続き期間に働くことができず生活に困る実習生もいることから、必要に応じて1週間に28時間以内の就労を認めることにしています。

また手続きに必要な書類の書式を実習生の母国語にした物を新たに整備します。

3年後には「技能実習制度」が廃止され、新たに「育成就労制度」が始まり、転籍の要件が緩和されます。

もとの職場で1年から2年働き、業務分野が同じであれば本人の希望で別の企業などに移ることができます。

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