国立スポーツ科学センターは、2017年からスポーツ選手の遺伝子と種目の適性や効果的なトレーニング方法、そしてけがのリスクなどとの関係を調べるため、2000人以上の国内のトップ選手の血液と競技歴やけがに関わるデータを本人の同意を得て集め、一部を論文として発表していました。
これに対して、センターの内外の専門家から「アスリートの差別や選別につながりかねない」とか「遺伝子情報だけで適性などは判断できない」といった指摘があったことから、おととし研究を中断したということです。
そのうえで、遺伝子研究の方向性について「不当な遺伝情報の利用は排斥し適切に扱うことが重要だ」とする声明をまとめたということです。
具体的には、選手の発掘・育成・強化などに関わる遺伝子研究は行わず、ドーピング検査で禁止薬物を摂取していないのに陽性となる「偽陽性」との関係を調べることに限るとしています。
国立スポーツ科学センターの久木留毅所長は「最も大事だと考えているのはアスリートの権利を守ることなので、声明に基づき範囲を限定して研究を進めていきたい」と話していました。
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