家政婦兼介護ヘルパーの労災認定を巡る訴訟の控訴審判決を受け、「逆転勝訴」の結果を示す弁護士(左端)。右隣は原告で遺族の男性=19日午後、東京高裁前

 家政婦兼介護ヘルパーとして要介護者の家庭に派遣され、約1週間泊まり込みで働いた後に急死した女性=当時(68)=の労災を認定しなかった労働基準監督署の処分は不当として、夫(77)が国を相手に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(水野有子裁判長)は19日、過重業務による労災と認め、不支給処分を取り消した。一審東京地裁判決は請求を棄却しており、遺族の逆転勝訴となった。

 労働基準法は、家庭と雇用契約を結んだ「家事使用人」は適用外としており、労基署は女性がこれに該当するとして労災不認定としていた。

 東京高裁は介護も家事も同じ場所で従事し、労働時間や賃金が明確に区分されず、家事に関して派遣元の会社の指示があったなどと判断。一体として会社の業務だったとし、女性は家事使用人には該当しないと認定した。

 その上で、家事と介護で1日の労働時間は15時間に上ったと指摘。おむつ交換で6時間以上連続して睡眠を取ることもできず「短期間の過重業務」に当たるとして、女性の死亡は業務に起因すると結論付けた。

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