北海道・知床沖で観光船が沈没した事故で、運航会社社長桂田精一容疑者(61)が逮捕された18日、地元・斜里町の関係者からは「一つ一つ対策を積み重ねたい」との安全運航への決意や「被害者と向き合ってほしい」との声が聞かれた。

 「家族が納得できる状況で進んでいけば」。知床小型観光船協議会の神尾昇勝会長(48)は逮捕を受け、願いを強くした。事故後、出航可否を複数社で判断するなどのルールを策定したといい「安全な運航を続けることで信頼回復に努めたい」と前を向く。

 知床斜里町観光協会は、自然体験型アクティビティーのリスク管理をする組織を立ち上げるなどし、安全対策に努めている。野尻勝規会長(55)は「家族としては一歩前進した思いだろう」と話した。

 桂田氏が経営していた宿泊施設の元従業員杉浦登市さん(63)は、月命日に献花台の写真を乗客家族に送るなど交流が続いている。「家族が斜里町に来て笑顔で話ができる時が来てほしい。そのためにできることをしたい」と寄り添う。

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