元日の能登半島地震で被災した石川県の沿岸部で、地盤沈下した農地に、約半年が過ぎた夏ごろになって潮位上昇に伴い海水が流れ込むようになり、塩害が発生していることが18日、分かった。複数地区の田んぼで稲が枯れる被害があり、県が実態を調査。農家は土のうを積むなどの応急対策を進める考えだが、本格的な復旧は長期化する恐れがある。 塩害は、能登半島東岸の石川県七尾市で発生。市によると、七尾湾に面する少なくとも3地区で、夏以降に田に海水が流入し、稲枯れが相次いで報告された。地震の影響で排水路周辺の地盤が沈んで海面より下になり、海水が逆流した。 七尾市田鶴浜地区の福田教導さん(80)の田んぼは、地震による亀裂などの被害はなく、5月上旬に田植えをした。ところが6月下旬から潮位が高くなり、大雨が降ると海水が流入するように。塩分濃度を薄めるため川の水を取り入れたが、稲穂が枯れたり変色したりした。 被害は11ヘクタールの田のうち3ヘクタールに及び、被害額は約500万円に上るという。
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