トヨタ自動車の製品開発に関する書籍を巡り、自身の名前を記さず無断で知人の単著として出版したのは著作権侵害だとして、製品技術マネジメント専門家の酒井崇男さんが、発行元の日経BP(東京)や知人に出版停止などを求めた訴訟があり、東京地裁で和解が成立していたことが13日、分かった。酒井さんが取材に明らかにした。和解条件には出版停止に加え、書店などからの回収も含まれており珍しい。  訴状によると、書籍は2023年9月発行の「価値の創造主 初代レクサス開発物語」。19年に元トヨタ社員の知人から相談を受けた酒井さんが共同著作を提案し、自ら骨子を示した上、双方で原稿の加筆修正を重ねた。その後、出版元を巡るトラブルがあり、酒井さんは出版断念を要望したが、知人は無断で一部を改変し単著として発行した。  和解は今年6月に成立。条件には出版停止や書籍の元となった原稿の破棄のほか、ホームページで6カ月間の謝罪文掲載、書店や販売サイトからの回収に努める―などが盛り込まれた。


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