女性医師数が2022年12月末時点で、初めて8万人を超えた。現行の方法で調査を開始した1982年以降で最多となった。厚生労働省が発表した。前回調査の2020年から4.6%増えた。
厚労省によると、22年の医師の総数は前回調査比1.1%増の34万3275人で、過去最多となった。このうち女性医師は8万1139人で、全体の23.6%だった。男性医師の割合は76.4%で、男女間の差は大きいままだ。
厚労省は、「08年以降、医学部定員の女性の割合が年々大きくなっていることが、女性医師の増加につながっている」と分析している。
女性の歯科医師は同1.9%増の2万7413人、薬剤師は同0.9%増の19万9507人で、ともに過去最多だった。
一方、文部科学省が発表している「学校基本調査」のデータを、ニッポンドットコムが独自に精査したところ、国公私立大学の医学部医学科に入学した女性の割合は、23年度で40.4%だった。23年度の医学科の入学者総数は9007人で、そのうち女性は3640人だった。
1957年度以降のデータを精査すると、女性医師の割合は、60年代から70年代は10%台前半にとどまっていた。80年代に入って上昇し始め、86年度にようやく2割を超えた。94年度に3割を突破したものの、四半世紀ほど3割台で推移していた。
女性の医学部入学を巡っては2018年、文科省と東京医科大学が舞台となった汚職事件の捜査をきっかけに、複数の大学医学部の入試で女性を一律に不利に扱ってきた不正が発覚し、社会問題となっていた。
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