旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さん(当時14)は3年前の2021年3月、雪の積もった市内の公園で死亡しているのが見つかり、遺族の求めで設けられた市の再調査委員会は今月、いじめが原因の自殺だったとする報告書を市に提出しました。

市は、遺族の意向を確認したうえでプライバシーに関する表記を一部除いた「公表版」を作成し、13日公表しました。

公表版の報告書はおよそ370ページにおよび、上級生などが女子生徒に対して、ジュースなどをおごらせたことや、LINEで性的な話題を続けたり写真を送らせたりしたことなど7件をいじめと認定しています。

そして、女子生徒が亡くなったことについては、いじめを受けてPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症し自殺に至るまでトラウマに苦しんだとして、「いじめ被害が存在しなければ自殺は起こらなかった」と結論づけています。

今津寛介市長は13日の市議会で女子生徒の命を救えなかったことについて改めて市を代表して謝罪しました。

そのうえで報告書に尾木直樹委員長らによる再発防止に向けた提言が盛り込まれていることを踏まえ、「報告書を受け取って、改めて再調査委員会からの期待に応えることができるよう、いじめ防止対策の『旭川モデル』の着実な遂行とさらなる取り組みの強化を進めていきたい」と述べました。

遺族 “娘の苦しみ感じて”

廣瀬爽彩さんの遺族は13日、旭川市を通じて今の心境などについてコメントを発表しました。

遺族は、報告書の公表版について「通常では公表しない部分に関しても公表することに踏み切りました」としたうえで、その理由について、「憶測、根拠のない断定、ひぼう中傷が遺族、関係者にとどまらず一般市民の皆さまにも及んでいたためです。今後は、遺族、関係者、市民の皆さんに対するひぼう中傷、憶測、根拠のない断定がなくなることを切に願っています」としています。

そして「今回の公表で娘が何に苦しみ、何に悩んでいたのか、また、娘が抱えていた特性が、皆さんの身近にあること、このようないじめは、どこの地域でも起こりうることだと感じていただき、今後、同じ事が繰り返されないよう、そして、同じような悩みを抱えている方にも役立てていただけましたらと思っています。今後は、静かに見守っていただけましたら幸いです」としています。

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