昨年度採用された公立学校の教員の採用倍率は3.4倍と過去最低となり、中でも小学校は2.3倍と5年連続で過去最低となっています。

こうした状況を受け文部科学省は、民間企業の採用面接が6月に開始されることを踏まえ、昨年度まで7月ごろに行われていた教員採用試験について、今年度から試験を実施する日の目安となる「標準日」を設けて6月16日としています。

都道府県や政令市など68の自治体の今年度の試験日程を文部科学省が調べたところ、半数以上の36自治体が標準日かそれより前に実施予定で、このうち静岡県や茨城県など4自治体は受験者数の確保のためさらなる早期化が必要だとして、来月の実施を予定しているということです。

文部科学省はさらにもう一段の対応が必要だとして、来年度の「標準日」を民間企業の採用面接の開始日よりも早い5月11日に前倒しする方針を固めました。

試験の回数も秋から冬の時期を活用するなどして複数回実施するよう求める方針で、文部科学省は26日にも全国に通知し、要請することにしています。

教員採用試験 進む早期化 現状維持の教委も

文部科学省が全国の都道府県や政令市などに今年度の教員採用試験の1次試験の日程を調査した結果、半数以上の36自治体が標準日かそれより前に実施予定でした。

最も早かったのは、来月11日の静岡県、静岡市、浜松市で、次いで来月12日の茨城県となっています。

このうち静岡県教育委員会は、毎年7月の第1週に1次試験を行ってきたといい、昨年度は7月1日に実施しましたが、民間企業の採用面接の開始時期よりも早めようと7週間前倒し、合格発表も例年の9月末から8月9日に早めたということです。

また、茨城県は志願者の減少を受け、関東の1都6県と同じ日程で行っていた試験を3年前から1か月前倒しして6月に実施していましたが、さらに1か月早めました。

一方で、今年度の採用試験の前倒しを見送った教育委員会からは、「志願者への影響を考慮した」といった意見も聞かれました。

このうち栃木県では今年度も例年どおり7月に1次試験を実施予定で、教育委員会によりますと、6月は大学によっては教育実習が行われる時期であることや、受験者の準備期間が短くなることなどから現状を維持したとしています。

文部科学省は来年度から「標準日」を5月に前倒しすることで、教育実習の影響を抑えることができるのではないかとしています。

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