6年前の2018年5月、和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(当時77)が自宅で急性覚醒剤中毒で死亡したことをめぐっては、元妻の須藤早貴被告(28)が何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、殺人などの罪に問われています。

初公判は12日午前10時40分から和歌山地方裁判所で開かれ、関係者によりますと、弁護側は無罪を主張するとみられます。

一方、検察は、被告が関与したという直接的な証拠が見つかっていない中で、野崎さんが覚醒剤を摂取したとみられる時間帯に被告だけが自宅にいたことなど、状況証拠を積み重ねて有罪を立証するとみられます。

裁判は、予備日も含めて25回の審理日程が決まっていて、法廷で事件のいきさつがどこまで明らかになるかが焦点となります。

判決は12月12日に言い渡される予定です。

裁判までの経緯

野崎幸助さんは、出版した自伝で女性を次々と誘惑するスペインの伝説上の人物「ドン・フアン」にみずからを重ね合わせ、注目を集めました。

著書では、2017年の秋、羽田空港で転んだところを、当時21歳だった須藤被告に助けてもらったと紹介しています。

野崎さんから結婚を申し込み、2018年2月に入籍したとつづっていました。

しかし、結婚から3か月後、野崎さんが自宅で死亡しているのが見つかります。

死因は急性覚醒剤中毒で、警察は殺害された疑いがあるとみて捜査を始めました。

そして、3年後の2021年に被告が逮捕・起訴されました。

長期間に及んだ捜査では、野崎さんが覚醒剤を摂取したとみられる時間帯に被告だけが自宅にいたことや、スマートフォンの解析などで事件前に覚醒剤の密売人と接触していたとみられることなどがわかったということです。

一方、被告は逮捕後の取り調べに容疑を否認し、その後も黙秘していたということです。

不審な死から6年がたち開かれる初公判で、検察と弁護側がどのような主張を交わすのか注目されます。

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