びわこ成蹊スポーツ大学(大津市)のサッカー部員ら計50人が琵琶湖でのカヤック航行中、安否不明者が一時出たことについて、間野義之学長らが11日、大学で会見した。参加した部員の6割がカヤック初心者だったといい、「計画自体が楽観的で見積もりが甘く、活動中も適切な状況判断ができなかった」と陳謝した。

 大学によると、参加したのはサッカー部員33人や監督、コーチ、カヤック指導責任者ら。団結力向上を目指す「チームビルディング研修」として、9日午後2時半に40艇のカヤックで艇庫(大津市北比良)を出発。白鬚(ひげ)神社(高島市鵜川)に到着し、午後5時に艇庫に戻る計画だった。

 各艇は白鬚神社に午後4時から午後4時半にかけて到着。最も遅かった参加者は2時間かかっていた。だが、日没までに帰れると判断し、午後5時に神社を出発した。このとき、風速は3~4メートル、波も高かったという。

 午後5時50分ごろ、カヤック指導責任者が、航行継続は難しいと判断。遅れているカヤックに近くの湖岸へ上がるよう指示した。艇庫まで戻ったのは24人。途中で湖岸へ上がったのは26人で、うち3艇が転覆して4人が投げ出された。4人は岸まで100メートル以内の距離を泳いでたどりついた。

 サッカー部として白鬚神社まで往復するのは今回が初めてだった。9日の日没は午後6時12分だった。大学の聞き取りに「夜に1人でいると不安を感じる」などと話す学生もいるため、心のケアに努めるという。

 間野学長は「白鬚神社に着いた時点で中止すべきだった。今回の計画の適合性を検証し、安全性が担保されるまで、カヤック研修は当面中止する」と述べた。(鈴木洋和、平岡和幸)

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