東京23区唯一の渓谷として知られる東京都世田谷区の等々力(とどろき)渓谷で、剪定(せんてい)や伐採が必要な「危険木」が52本見つかり、公園の大部分が立ち入り禁止となった問題を巡り、区は25日、2025年度中に全面開放できるめどが立った、と発表した。伐採本数の見直しや作業人員の確保、これまでできなかった重機による作業が一部で可能になったためとしている。

等々力渓谷で発生した倒木の様子(世田谷区提供)

 区によると、樹木医や木の生育環境に詳しい専門家が対策を再検討し、伐採は当初の計画の半数程度の26本にとどめ、16本は剪定、10本は表土の保護や根の保全などの対策により樹勢の回復を図ることにした。今月から伐採作業に入った。4エリアに分けて作業を進め、完了次第、部分開放していく予定。  剪定・伐採費は約5400万円。区は6月ごろから「ふるさと納税」で2000万円を目標に寄付を募る。  等々力渓谷は年間数十万人が訪れていた。近年の猛暑で樹勢が弱まったところに、想定以上に菌の繁殖が早まったことなどで危険木が増えたとみられる。昨年7月に倒木が発生。区が立ち入りや通行を禁止していた。(奥野斐) 

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