都市ガス大手の東邦ガス(名古屋市)が、ガス原料の仕入れに関わる金融商品取引で生じた利益について、法律上認められない会計処理をしたとして、名古屋国税局から2022年3月期までの4年間で約200億円の申告漏れを指摘されていたことが10日、分かった。同社が明らかにした。  追徴税額は過少申告加算税などを含め約55億円で既に納付した。国税局と見解の相違があるとして、国税不服審判所に不服を申し立てている。  問題が指摘されたのは、都市ガス原料の仕入れ価格を固定化するデリバティブ取引。一定の条件を満たせば利益を次の年度以降に繰り延べて計上できるとされるが、税務調査の結果、条件を満たしていない利益を繰り延べて計上し、結果的に所得を少なく申告したとの指摘を受けた。  同社の担当者は、問題を指摘された処理に関して「価格変動などのリスクを軽減するための会計処理として認められると認識していた」と説明している。  東邦ガスのホームページによると、1922年設立。愛知、岐阜、三重の3県を中心に、都市ガスの製造や供給、販売事業を展開している。供給規模は東京ガス、大阪ガスに次いで業界3位。


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