東京都世田谷区の保坂展人区長が、役所の区長室に置く高額な家具に公金を支出したと報じた週刊誌やニュースサイトの記事で名誉を傷つけられたとして、新潮社に慰謝料など550万円の賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は25日、「記事は真実と認められない」として、110万円の支払いを命じた。

◆「1200万円という法外な額」は見積書段階の額だった

東京・世田谷区の保坂展人区長

 判決文によると、新潮社は、発行する週刊新潮とデイリー新潮で昨年2月、区長室などに置く応接家具に「1200万円という法外な額がかかっている」と報じた。判決理由で貝阿彌(かいあみ)亮裁判長は1200万円は見積書の金額で、実際の購入価格は約480万円だったと指摘。記事は「区長の資質に重大な問題があるとの印象を読者に与えたが、真実と認められず、真実と信じる相当の理由もない」とし、名誉毀損(きそん)に当たると判断した。区長側は記事削除や謝罪広告掲載も求めたが「慰謝料で足りる」として退けた。  保坂区長は「名誉毀損を認めたことを評価したい。記事削除や謝罪広告を認めていない点は、控訴を検討したい」とのコメントを発表。週刊新潮編集部は「主張が認められなかったのは大変遺憾」としている。(中山岳) 

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