熊本県立高の入学者選抜要項で、障害者差別に当たると外部から抗議を受け2025年度分から削除した文言について、19年にも受験生の保護者らから抗議を受け、変更や削除をしていなかったことが10日、県教育委員会への取材で分かった。詳細な記録が残っていないとして、理由は不明としている。

 削除されたのは「身体については、修学不可能と認められる者を除くほか、選抜に差等をつける資料としない」との文言。少なくとも1954~24年度分の約70年間、記されていた。

 県教委によると、19年3月、県立高への進学を希望していた受験生の保護者らとの話し合いで抗議を受けた。

 この時、抗議したという保護者によると、受験生は脳性まひで重い障害があり、18~20年の3年間、定員割れの県立高を受験し、いずれも不合格だった。取材に「当時削除しなかった理由が知りたい」と話している。

 今年6月、障害がある別の受験生の保護者から抗議を受け、県教委は「誤解を招く恐れがある」と判断。8月公表の25年度分に記載しなかった。

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