これは10日、JR貨物が会見を開いて明らかにしたものです。
それによりますと、JR貨物の車両整備の現場で行われた貨物列車の車輪に軸を取り付ける作業で、取り付けの圧力が基準値の上限を超えた際、記録表の値を基準値内に書き換えるデータの改ざんをしたり、上限を超えたのを認識してもそのままにしたりする不正が行われていたということです。
不正が行われていたのは、北海道支社の輪西車両所、関東支社の川崎車両所、関西支社の広島車両所の3か所で、基準値の上限を超えて取り付けた場合、車輪や車軸が摩耗して車軸が折れるなどの故障につながる可能性があるということです。
場合によっては事故に至る可能性もあるとしています。
不正は少なくとも10年前の2014年から行われ、これまでに564両で上限を超えているのが確認されたため、10日夜のうちに、これらの運用をすべて停止する予定だということです。
ことし7月、山口市の新山口駅構内で起きた貨物列車の脱線事故を社内で調べる過程で発覚しました。
会社の聞き取りに対し現場の作業員は「基準値の上限を少し超えても車両には問題がないと認識していた」などと話しているということです。
会見を行ったJR貨物の小暮一寿 取締役は「作業員の基準値に関する認識の甘さなどから不正を招き、お客様に心よりおわび申し上げます」などと陳謝しました。
国交省が11日に保安監査を予定
JR貨物でデータの改ざんが行われていたことを受け、国土交通省は、11日、不正のあった3つの車両所に対し、鉄道事業法に基づく保安監査を行う予定です。
保安監査では、データの確認や作業員への聞き取りを行い、不正に関する事実関係や安全管理体制などを調べるということです。
また、国土交通省は9日、JR貨物に対し、今月20日までに緊急の調査結果や対策を報告するよう求めたということです。
国土交通省の担当者は「今回の不正行為は鉄道輸送の安全確保を根底から覆す行為であり、極めて遺憾だ」と話しています。
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