東京電力の福島第1原発2号機=8月

 東京電力は10日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的採取作業を始めた。格納容器内に残る少量の取り出しを目指す。8月22日に準備作業を開始したがパイプの並び順を誤るミスが判明し、中断していた。採取作業は2011年3月の事故後、初めてとなる。  計画では、原子炉格納容器の貫通部から最長22メートルに伸びるパイプ式装置を差し込み、先端に取り付けた爪形の器具で3グラム以下のデブリをつかんで回収する。装置がデブリに到達するまでに1週間程度、回収完了までは2週間程度を見込む。  東電は8月22日に準備作業を開始。約1・5メートルのパイプ5本を接続して装置を押し込み、貫通部手前で放射性物質を遮断する「隔離弁」を通過させた時点で「取り出し開始」とするはずだった。しかし1本目の接続準備中に順番の間違いに気付き、約1時間半で中断した。  その後の調査で、東電が事前の準備を下請け任せにし、東電社員や元請けの三菱重工業がパイプの順番を一度も確認していなかったことなどが発覚した。


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