東京電力は5日、福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが中断された問題で、早ければ来週にも作業を再開する見通しを示した。原因となった装置の取り付けミスに関しては、協力企業が接続したパイプの並び順を東電が一度も確認していなかったとする調査結果を公表。今後は作業の準備段階から確認するなどして再発防止を図るとした。
試験的取り出しは8月22日に始まる予定だったが、デブリ回収装置に5本のパイプを接続する手順にミスが発覚し、作業が中断された。
東電によると、接続作業は7月27~29日に実施。当初は協力企業の作業員がパイプを5本まとめて原子炉建屋に搬入してつなげる計画だったが、放射線量が高いことを理由に4本だけを運び込み、間違った順番で接続した。
残り1本はその後に搬入され、違う並び順で取り付けられたが、作業開始までの約1カ月、東電はパイプの順番を確認していなかった。計画と異なる作業が行われたことについて、東電は中断後の調査で初めて把握したという。
再発防止策として、作業が計画通り実施できなかった場合は中断して状況を確認することや、高線量の現場に配慮した手順を検討することを挙げた。東電は今後パイプを並び替えるなどし、順調に進めば来週にも試験的取り出しを再開する。
福島第1原発に搬入された溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しで使用する回収装置のパイプ。数字は取り付け手順=7月(東京電力提供)
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