政府は2日、認知症の人が暮らしやすい社会を目指す「認知症施策推進基本計画」の案を有識者会議に示し、大筋で了承された。患者らの意見を取り入れ、認知症と共に希望を持って生きるという「新しい認知症観」を打ち出した。新たな知見・技術の活用など四つの重点目標を掲げ、自治体にも計画策定を求める。今秋に閣議決定する。
計画は、1月施行の認知症基本法に基づき策定。期間は2029年度までの約5年間となっている。「認知症になったら何もできなくなるのではなく、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる」という新しい認知症観を提唱した。
重点目標には▽国民の理解▽認知症の人の意思の尊重▽認知症の人・家族が他の人々と支え合いながら地域で暮らせること▽新たな知見・技術の活用―の4項目を挙げた。認知症サポーターの養成数などを目標達成の指標とする。
認知症患者は急速な高齢化の進展に伴い増加傾向にある。厚生労働省の研究班の推計によると、高齢の患者数は22年に約443万人。40年には、記憶力低下などがある「軽度認知障害」を含めて計約1200万人が罹患(りかん)する可能性がある。
認知症の高齢者と医師(イメージ)
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