NASAの探査機ニューホライズンズが撮影した氷天体と考えられている冥王星(NASA提供)

 氷や水が存在するとみられる「氷天体」が地球からの探査機で汚染される事態を防ぐ対策を「国際宇宙空間研究委員会(COSPAR)」がまとめ、関連指針を改定することが1日、分かった。土星の衛星エンケラドスで生命存在の可能性が指摘されるなど、氷天体への関心が高まっており、探査の本格化に備えて、位置づけが曖昧だった保護策を明確にする。  太陽系には主に木星以遠に多数の氷天体があり、そのうち20以上で地下に液体の海があると考えられている。地球の探査機に付着した物質や微生物が探査先を汚染してしまうと、持ち帰った試料が天体と地球のどちらに由来するのか、分からなくなる恐れがある。  宇宙分野の国際組織であるCOSPARは、月や火星など太陽系の天体を対象に「惑星保護指針」を定め、各国は指針に沿って探査機を滅菌したり、汚染の確率を計算したりした上で探査を進めてきた。エンケラドスと木星の衛星エウロパは氷や水の存在も考慮して保護策を決めていたが、多くの衛星や冥王星は氷天体としての位置付けや保護策が不明確だった。


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