能登半島地震で隆起した石川県輪島市の海岸。奥は大規模な土砂崩落現場=8月

 能登半島地震の影響で地盤が隆起した海岸などについて、石川県などが、自然公園「ジオパーク」登録申請に向け調整を始めたことが31日、関係者への取材で分かった。震災遺構として保存するため、地元自治体などの意向を確認している。防災教育や復興応援ツアーなどへの活用を検討。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」申請も視野に入れる。  地震発生から9月1日で8カ月。被災の教訓継承の動きが具体化しつつある。登録申請の主体となる市町はインフラ復旧や被災者の生活再建を優先している。自治体の意向を踏まえた本格的な取り組みは年明け以降となる見通しだ。  ジオパークは学術的に貴重な地形・地質を備えた自然を登録し、地域の暮らしや文化、歴史の保全を図る。国内版の「日本ジオパーク」は有識者委員会が認定し、6月時点で46地域ある。うち10地域は、特に貴重としてユネスコの世界ジオパークに認定されている。  能登半島では元日の地震で最大約4メートルの海底隆起が発生。輪島市では漁港や海岸、海沿いの「塩水プール」などが陸地化した。


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