乗客106人と運転士が死亡し、乗客562人が負傷したJR宝塚線(福知山線)脱線事故から25日で19年になった。兵庫県尼崎市の事故現場にある追悼施設「祈りの杜(もり)」では追悼慰霊式があり、遺族らが祈りを捧げた。

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 事故発生時刻の午前9時18分、慰霊式の会場や現場周辺などで、遺族やJR西日本関係者らが黙禱(もくとう)した。

 同じ頃、現場近くを普段より遅い時速約25キロで快速電車が通過。車内では直前に「事故を心に刻み、安全運行に努め、安心してご利用いただけるよう全力をあげて取り組んでまいります」と放送が流れた。祈るように手を合わせる乗客の姿も見られた。

 1両目に乗っていた兵庫県三田市の会社員、稲岡大晟(たいせい)さん(22)は事故と同時刻の電車に休みを取って初めて乗り、ゆっくりと車窓を流れる事故現場を目に焼き付けた。「JR西日本に限らず、全国の公共交通機関が安全第一で対策を徹底してくれることを願っています」と話した。

 午前9時45分から始まった追悼慰霊式には遺族ら約320人が参列した。長谷川一明社長が「鉄道の安全を追求し、たゆまぬ努力を積み重ねていくことを誓う」と述べた。

 一般献花は午後3時半~午後8時に祈りの杜で受け付ける。(華野優気、瀬戸口和秀)

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