警察庁は30日、道路交通法が定める現在総排気量50cc以下の原動機付き自転車の区分を見直し、同125cc以下で最高出力を制御した小型二輪車も原付自転車として扱う方針を固めた。同法の施行規則を改正し、2025年4月にも施行する。

規則改正に関するパブリックコメント(意見公募)を9月まで実施する。現行の原付免許では総排気量50cc以下の原付のみ運転が認められ、同125cc以下の小型二輪車を運転するには普通二輪免許や小型限定普通二輪免許が必要になる。

改正施行規則では、同125cc以下の二輪車のうちエンジンの出力を現行の原付と同等の最高出力(4キロワット)に制御した場合、原付免許での運転を認めるようにする。

原付の区分を見直す背景には、25年11月から始まる排ガス規制の強化がある。現行の原付は新基準を満たさず、規制に対応させようとするとコストがかさみ同125cc以下の小型二輪車の販売価格を上回る可能性がある。

日本自動車工業会(自工会)など業界団体からの要望を受け、警察庁は23年9月から有識者検討会で見直しを検討してきた。検討会がまとめた報告書では、総排気量125cc以下の二輪車でも出力を抑えれば安全性と運転の容易性を確保できると結論づけた。

国内ではホンダとスズキ、ヤマハ発動機が総排気量50cc以下の原付を現在販売している。国内シェアの8割を持つホンダは25年の生産終了を決めるなど、国内での生産はすべて終わる可能性もある。

道交法施行規則の改正に合わせ、国土交通省も公道を走行できる車両の条件を定める道路運送車両法の関連規則を改正し、10月下旬にも施行する方針。同125cc以下の二輪車でエンジンの出力を同50cc以下と同程度にした場合、同50ccと同じ区分にする。

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