岡山市で娘の西田真愛ちゃん(死亡当時6)を交際相手と虐待し2022年に死なせたとして、逮捕監禁致死と強要の罪に問われた母親、彩被告(36)の裁判員裁判が29日、岡山地裁で開かれ、検察側は懲役10年を求刑した。
弁護側はほう助罪にとどまるとして執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は9月11日。
起訴状によると、被告は21年9月、交際相手だった船橋誠二受刑者(41)=両罪で懲役14年確定=と共謀し、自宅で真愛ちゃんを全裸にして鍋の中に長時間立たせ、手指を自分で口の中に入れて嘔吐(おうと)するよう強要。布団を巻き付けて約1時間20分間押し入れに閉じ込め、22年1月に低酸素脳症で死亡させたとしている。
検察側は論告で、被告が真愛ちゃんの素行の悪さを船橋受刑者に「告げ口」し続けたことが常習的な虐待につながったと指摘。真愛ちゃんが亡くなる危険性を認識できたが、制止も救護もしなかったと述べた。
弁護側は最終弁論で、船橋受刑者にカメラで監視されるなど心理的に支配され、虐待の制止は不可能だったと主張。被告は最終意見陳述で「子どもたちを助けられなかったことを反省し、自分と向き合い続ける」と声を震わせながら話した。〔共同〕
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