岡山市で西田真愛(まお)ちゃん(死亡当時6歳)が虐待を受けて死亡した事件で、逮捕監禁致死と強要の罪に問われた母親の西田彩被告(36)の裁判員裁判が29日、岡山地裁で結審した。検察側は「密室の中で被害者を唯一助け出せる存在だったのに、放置した冷酷な態度は沈黙の刃ともいうべきで、刑事責任は極めて重大だ」として、懲役10年を求刑した。弁護側は、元交際相手の犯行を容易にさせた幇助(ほうじょ)にとどまると主張し、執行猶予付きの判決を求めた。判決は9月11日。

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 この事件では、西田被告の元交際相手で、両罪などに問われた船橋誠二受刑者(41)の懲役14年の判決が確定している。西田被告の公判では、2人の間に共謀が成立するかが争われた。

 検察側は論告で、西田被告は真愛ちゃんに言うことを聞かせるために、船橋受刑者の虐待行為を制止しなかったと主張。真愛ちゃんは2021年9月、16日間で計約33時間も起立や嘔吐(おうと)を強要され続け、死亡の原因となる布団を巻き付ける行為も抵抗を無視した残酷な犯行だったと指摘した。

 弁護側は、西田被告に持病や発達障害の疑いもあったうえ、監視用のカメラを自宅に置かれるなどし、船橋受刑者から「心理的に支配され、制止は不可能だった」などと主張した。(北村浩貴)

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