山口県の県庁所在地・山口市の玄関口として山陽新幹線が停車するJR新山口駅がある同市小郡地区。市の諮問機関が5月に地区の一部を「小郡昭和町」と変更するよう市に求め、市議会が可決した。これにより明治から令和まで近代の歴代元号が住所名として勢ぞろいすることになり、地元では全国的にも珍しい住所表記を町おこしにつなげたいと期待の声が上がる。(共同通信=井上大成)
小郡地区は鉄道駅と共に交通拠点として栄えた旧小郡町で、2005年に山口市など周辺市町と合併した。駅周辺の地図を見ると、目に留まるのは「小郡明治」「小郡大正町」といった元号が付いた住所だ。他に通りや橋にも元号にまつわる通称が付けられ「元号が生活に密着している地域」と市の担当者は話す。
市によると、小郡地区には以前から明治や大正といった地名があった。地区の住所を整理する作業を進め2007年にまず小郡平成町ができた。2021年に小郡令和、2022年に小郡明治と小郡大正町も追加。小郡昭和町については今後、市議会で区域の新設の議決などを経て、来年2月から正式な住所名になる予定だ。
地元住民も小郡平成町ができたのを契機に元号を街のPRにつなげたいと考え、元号にまつわる地名などをまとめた地図を作り、散策するイベントなどを企画している。
中心となって活動してきた「おごおり地域づくり協議会」の横山洋之(よこやま・ひろゆき)会長(71)は念願の「昭和町」誕生に「駅周辺に五つの元号がそろう。元号にまつわる地図もリニューアルして観光PRなどに役立てたい」と意気込んでいる。
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