熊本県教育委員会が、毎年公表している県立高の入学者選抜要項に記載していた文言について、障害者差別に当たるとの外部からの指摘を受け、2025年度分から削除したことが28日、分かった。少なくとも1954~本年度分の約70年間にわたり記載されていた。県教委は「誤解を招く恐れがある」と判断した。 指摘を受けたのは「身体については、修学不可能と認められる者を除くほか、選抜に差等をつける資料としない」との文言で、23日に公表した来年度分から削除されている。昨年度に受験した障害のある男性の保護者から6月に指摘を受けていた。 障害の有無に関係なく共に学ぶ「インクルーシブ教育」に詳しい東洋大の一木玲子客員研究員(教育制度学)は「入試に差をつけてよいと読むことができる。明確な差別で、障害者の権利を保障していない」と話している。 県教委は文言の趣旨について「選抜の際、身体による不当な差別的取り扱いをしないためだった」と説明。差別表現とはみなしていない。指摘した保護者は取材に「県教委は、素直に差別的な表現だと認めてほしかった」と語った。
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