国の2025年度一般会計の予算編成で、各省庁が財務省に提出する概算要求の総額が24年度の114兆3852億円を上回り、過去最大となる見通しであることが28日、分かった。要求総額が110兆円を超えるのは4年連続となる。借金に当たる国債の返済とその利払い費を合わせた国債費が増えるほか、防衛費や社会保障費も膨らむ。財務省が近く要求額の集計結果を公表する。

概算要求総額は、各省の要求額を合算すると116兆円規模に達する可能性がある。デフレからの完全脱却に向けた「重要政策推進枠」(特別枠)を25年度も設置。賃上げ促進と物価高への対応として、要求段階で金額を示さない「事項要求」も認めた。これらの重点対策が加わり、年末の予算編成でさらに歳出圧力が強まるのは必至だ。

財務省は、国債費として28兆9116億円を要求する。当初予算段階で過去最大だった24年度の国債費からさらに2兆円近く増える。日銀の追加利上げに伴う長期金利の上昇に備え、利払い費を算出する際に使う想定金利を2.1%まで引き上げるためだ。24年度の概算要求時の想定金利である1.5%を大幅に上回り、15年度予算の概算要求時の2.2%以来の高さとなる。

防衛省は防衛力の抜本的強化に向け、過去最大の約8兆5000億円を要求。厚生労働省の要求額は年金・医療など社会保障費の増加を反映させ、過去最大の34兆2763億円に膨らむ。昨年発足したこども家庭庁の要求額は、少子化対策を中心に24年度当初予算比1.8%増の4兆2189億円となる。

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