◆倉庫内はそれでも36〜37℃に

 宅配最大手ヤマト運輸の兵庫県尼崎市内の倉庫で勤務している男性従業員(55)が、熱中症対策を求めてストライキを行ったのに対し、会社側が「適切な熱中症対策を講じている」と文書で回答した。具体的な改善策が示されなかったことから男性は27日、本紙の取材に「窓が開くようになったが、気温は36〜37度。死傷者が出てからでは遅い」と訴えている。

ヤマト運輸から労働組合への回答

 男性は19日に行ったストライキで、ファン付き作業服の支給などを求める申し入れ書を会社側に手渡した。加入する労働組合「総合サポートユニオン」によると、会社側から23日、「従業員が熱中症と診断された場合やその疑いがある場合について実態を把握しつつ、各センターにおいて適切な熱中症対策を講じている」とする回答があった。

◆「長年働いているので会社の対応に驚きはない」

 労組の佐藤学さんは「現場の状況と乖離(かいり)がある。全社的な実態調査と対策を早急にすべきだ」と強調。男性は「長年働いているので会社の対応に驚きはない。偉い人が一回でも現場に来てくれないとわからないのでは。残念」と話した。

ヤマト運輸本社前で街宣活動をする男性(左から2人目)。熱中症対策を求めてストライキを行った=19日、東京都港区西新橋で(七森祐也撮影)

 ヤマト運輸広報は「個別の案件になるのでコメントを差し控える」としつつ、「現場の声を踏まえて検討する」と回答した。(竹谷直子) 

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