拉致問題を調べている特定失踪者問題調査会の荒木和博代表らは24日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。北朝鮮による拉致被害者の田中実さんと知人の金田龍光(たつみつ)さんに関する情報を開示し、2人の速やかな帰国をはかるよう、日弁連から日本政府に要望することを求めている。
田中さんは1978年に神戸市から失踪し、2005年に拉致被害者と認定された。職場が同じ知人の金田さんも1979年ごろ失踪した。政府関係者によると北朝鮮は2014年ごろの非公式協議で、田中さんと金田さんの生存を明かしたが、日本側は報告書を受け取らなかったという。
申立人の1人で、特定失踪者家族会事務局長の竹下珠路(たまじ)さんは「北朝鮮が存在を認め、一時帰国してもいいと言ってきた人を日本政府が拒否すると、田中さんらは日本から見捨てられたことになってしまう。私たちの命を守るべき政府は何をしているのか」と訴えた。(編集委員・北野隆一)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。