政府の薬物乱用対策推進会議(議長:武見敬三厚生労働相)がこのほど公表した。大麻による検挙者のうち30歳未満の割合も72.9%と過去最高で、若年層の乱用拡大が続いている状況だ。

警察や厚労省麻薬取締部などによる薬物事件の23年の全体の検挙者数は、前年比9.46%増の1万3815人。うち覚せい剤事犯は3.43%減の6073人と8年連続で減少し、5年連続で1万人を下回った。一方、大麻事案は20.9%増の6703人と過去最高を更新するとともに、初めて覚せい剤事犯の検挙者数を上回った。麻薬・向精神薬事犯の検挙者数は31.9%増の1033人で、過去10年で最多となった。

薬物の押収量をみると、覚せい剤が前年比237%増の1601.6キログラムと大幅に増加。乾燥大麻は同157%増の850キログラム、コカインは同31.3%増の56.2キログラム、MDMAなどの錠剤型合成麻薬の押収量は同77.5%増の16万9743錠だった。

大麻事犯の検挙者6703人のうち、30歳未満(4887人)が占める割合は72.9%。また、30歳未満のうち約4分の1の1246人は20歳未満だった。

大麻事犯の検挙者は2014年に比べ、全体で3.7倍に増加。うち年齢別でみると、30歳未満は6.6倍、20歳未満は15.6倍も増えており、若年層の乱用拡大が深刻化している。大麻事犯の初犯者率は76.4%で、初犯者が占める割合が高い。

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