国際宇宙ステーションに係留中のスターライナー(NASA提供・共同)

 【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)は24日、国際宇宙ステーション(ISS)に係留しているボーイングの新宇宙船スターライナーの有人飛行試験を中断すると発表した。機体に起きた不具合の原因が解明しきれず、安全が確保できないと判断した。試験は10日間の予定だったが、飛行士の滞在を延長し、来年2月にスペースXの宇宙船で地球に帰還させる。スターライナーは無人で戻す。時期は未定。  自国の飛行士を確実にISSに滞在させ続けるため、スペースXのクルードラゴンに続く二つ目の人員輸送手段を確保するというNASAの計画が狂った。計画遅れと赤字を重ねながら開発してきたボーイングにとっても大きな打撃となる。  スターライナーは米国の飛行士2人を乗せ、6月5日にフロリダ州を出発、翌6日にISSに到着した。出発前からエンジン周辺でヘリウム漏れが確認されていたが「飛行は可能」と評価し、修復せず出発した。ところが飛行中に漏出箇所が増え、到着直前にはエンジン28基のうち5基が停止した。うち1基はその後も再起動できていない。


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