東京電力は24日、福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)構内の一部で停電があり、汚染水を浄化処理した後のトリチウムを含む処理水の海洋放出が約6時間半中断したと発表した。50代の男性作業員が構内で掘削中に電源ケーブルを誤って傷つけ、停電したとみている。作業員は右腕にやけどを負ったとみられ、救急搬送された。命に別条はなく意識はあるという。

◆原子炉への注水設備も同じ電源だったが影響なし

東京電力福島第1原発(資料写真)

 2号機の原子炉への注水設備も同じ電源を使っていたが、電源が切り替わり冷却を継続した。安全上重要な設備は切り替えられるようになっているという。トラブルによる放射線監視装置(モニタリングポスト)の値にも異常はないとしている。汚染水の漏出も確認されていないとした。  東電によると、24日午前10時43分ごろ、海洋放出の準備として、処理水を海水と混ぜるために送り出すポンプが停電で止まった。同じ時間帯に、作業員が2号機の西側約600メートルほどの現場で、新たな電源ケーブルを敷設するためにコンクリートをはがしていたところ、けがを負った。消防によると「作業中に電気で右腕にやけどをした」と119番があったという。  海洋放出は午後5時16分にポンプが稼働し、再開した。今回は19日から始まり、5月7日までに約7800トンを放出する予定。このトラブルによる計画変更はないという。(荒井六貴) 

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