兵庫県警の警察官がSNS型投資詐欺で約870万円の被害に遭っていたことが23日、朝日新聞の情報公開請求でわかった。県警によると、特殊詐欺も含めて県警の警察官が被害に遭うケースは初めてとみられる。

 被害に遭ったのは、本部警備部の40代の男性巡査部長。6月に詐欺容疑で警察署に被害届を提出した。

 監察官室によると、巡査部長のSNSのインスタグラムに5月上旬以降、女性を名乗る3人からそれぞれ友達申請が来た。その後3人とLINEでやり取りを始めた。

 3人からそれぞれ暗号資産への投資を誘われ、アプリをダウンロードして5万円を振り込んだという。アプリには利益が出ているかのような画面も表示されていた。

 6月には投資のために銀行や消費者金融などから740万円を借り入れた。

 その後、1人に金の引き出しを求めたところ「マネーロンダリングの疑いがかけられたから、保証金を払え」と言われ詐欺と気づいたという。

 巡査部長は別の2人に対して身分証を示すように求めたが、送られてきた運転免許証はすぐに偽造と分かるようなものだったという。

 巡査部長がだまし取られた被害額は5月半ばから6月下旬の1カ月超の間で870万円に上った。

 不相応な借金をしたとして、県警は7月22日付で所属長注意の処分を出した。

 警察官の立場で投資詐欺の被害に遭ったことは、処分理由には入っていないという。

 巡査部長は県警に「認識が甘く、投資詐欺にも疎かった」と説明しているという。(小田健司)

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