兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)の奥谷謙一委員長らは23日、非公開で実施した証人尋問の終了後に記者会見し、6人の職員の証言内容を明らかにした。いずれも明確に斎藤元彦知事から「パワハラを受けた」とは証言しなかったが、ある職員は「知事が県の最高幹部に文具を投げたのを目撃した」と話した。
斎藤氏からの業務連絡のチャットが深夜や休日に届き、重圧を感じたという証言もあった。知事レクなどの場で案件を「聞いていない」として叱責を受けたり、舌打ちされたりしたという職員もいた。
視察先に車の進入禁止エリアがあり、入り口まで20メートル歩かされたことについて斎藤氏から叱責を受け、帰る際は職員が忖度(そんたく)して進入禁止エリアの入り口近くに車を止めたとする証言もあった。
斎藤氏の言動を明確に「パワハラ」と指摘した職員はいなかったが、百条委の複数の委員が「証言を聞くとパワハラにしか聞こえなかった」と話した。30日に県の幹部を含む4人の証人尋問を実施した後、斎藤氏に事実関係を問いただす。百条委としてパワハラと認定できるか判断する方針だ。
前西播磨県民局長の懲戒処分の経緯についての証言もあった。ある職員は「公益通報の調査結果が出るまで処分しないほうがいいのではないか」と進言したものの「最後は政治判断なので従った」という。県は公益通報にはあたらないと判断し、「処分は適切だった」としている。
証人尋問は精神的な負担を軽減するため氏名や肩書などを非公表とし、庁舎の一部フロアを関係者以外立ち入り禁止にして開催した。1人50分程度で、委員の県議が主に知事のパワハラ疑惑について証言を求めた。
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