千葉県南房総市教育委員会は22日、市立嶺南中学校で数学の授業に学習塾の講師が加わり、教師と2人態勢で指導すると発表した。数学の習熟度に差が広がっているためで、学力が高い生徒は塾講師、苦手な生徒は教師が教える。効果を検証して他校にも広げるか検討する。

 市教委によると、今年度に入って同校から「学力差が大きいので、習熟度に合った指導をしたい」と相談を受けた。市は夏休みや放課後に塾講師が教える講座を開いている。教員不足もあり、通常の授業に塾講師を加えることにした。

 同校の生徒は約150人で、各学年が2クラスずつある。塾講師が加わる授業は定期テスト前の2回を想定。生徒は教室内で二つのグループに分かれ、応用問題を解くグループは塾講師、伸び悩むグループは教師が指導する。授業の内容を決めたり、生徒を評価したりするのは教師が担う。

 2人態勢の授業は9月末の定期テスト前から始める。塾講師の報酬は1時間で5千円程度を考えているという。三幣貞夫教育長は「異例の方法だが、少人数で個々の力に合わせた指導が可能になる」と話す。(堤恭太)

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