長期にわたる自宅待機の末に解雇されたみずほ銀行の元行員の50代男性が、解雇無効や損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(須賀康太郎裁判長)は24日、約4年間の自宅待機は違法だったとして、同行に330万円の賠償を命じる判決を言い渡した。一方、解雇は有効と判断した。

 判決によると、男性は、関西地区の店舗でコンサルティング業務を中心とした営業を担当していたが、上司や同僚に対する言動などが問題視され、2016年に「残るポストがない」などとして退職勧奨を受け、自宅待機を命じられた。20年に出社を指示されたが応じず、正当な理由なく欠勤したとして懲戒処分を受け、翌年に解雇された。

 判決は、退職勧奨に続く約4年間の自宅待機命令は、実質的に退職以外の選択肢を与えない状況を続けたもので「社会通念上許容された限度を超えた違法な退職勧奨だ」と判断し、慰謝料の支払いを命じた。

原告の男性、みずほ銀行もコメント

 一方、就労を続ける意思や健康状態について、男性が同行から回答するよう再三求められたのに応じず、業務命令に反して欠勤を続けた点をふまえ、解雇は有効とした。

 原告の男性は判決後に会見し、「退職強要が違法との判決が下ったのは大きな意味がある」と語った一方、解雇を有効とした判断は「納得できない」として控訴する意向を示した。みずほ銀は「判決を精査の上、今後の対応を検討する」とコメントした。(米田優人)

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