目次

  • 7月から前年比高い状態 臨時情報の後 全国で200%超に

  • 市場アナリスト「供給不足で価格上がり 売り上げ大きく」

“米がない” 米不足はいつまで続く?

民間の調査会社「インテージ」は、全国のスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアでのコメの売り上げ額を調査し、7月22日から8月11日までの1日ごとのコメの売り上げ額を去年の同じ時期と比較したデータにまとめました。

数値は、去年を100%とし、例えば、200%であれば売り上げが2倍であることを示します。

7月から前年比高い状態 臨時情報の後 全国で200%超に

全国では、すでに7月から前年比で120%から160%程度と高い状態が続き、8月に入るとさらに上昇して、9日と10日には200%を超え、この期間で最も高くなりました。

最も高くなる直前の8月8日には、宮崎県で震度6弱の揺れを観測し、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震への注意を呼びかける臨時情報が発表されていました。

臨時情報の対象自治体を含む地域では

臨時情報の対象自治体を含む地域を見ますと、東海で9日に前年比276%、近畿で9日に257%、四国で10日に239%、九州で10日に227%などと全国よりも高くなりました。

市場アナリスト「供給不足で価格上がり 売り上げ大きく」

コメの購買の動向について、民間の調査会社「インテージ」の市場アナリスト木地利光さんは「地震の前からすでに高い状態だったのは、コメが供給不足の状態で店頭価格が上がっており、その分、売り上げ額が去年よりも大きくなっていた。そして、臨時情報が出されたあとは、指定された地域を中心に地震への備えの目的でふだんはコメを買わない人まで買う動きがあり、さらに売り上げが大きくなったとみられる」と分析しています。

今後「新米出回る季節 供給追いつき購買行動落ち着くか」

今後の見通しについては「9月から10月にかけて新米が出回る季節になるので次第に供給が追いつき購買行動も落ち着いてくるとみられる」と話しています。

パックごはん より災害への備え意識した特徴的な動き

一方、パックごはんを含む「米飯類」というカテゴリーの売り上げでは、より災害への備えを意識した特徴的な購買の動きが見られ、7月は110%程度と去年よりもやや高い状態でしたが、臨時情報が出された8月8日には145%、9日には223%と大きく上昇しました。

9日 東海では449%

臨時情報の対象自治体を含む地域ではさらに顕著で、いずれも9日が最も高く、東海では449%、近畿では274%、四国では343%、九州では205%などとなりました。

臨時情報を受けて備蓄用に購入か より広い範囲で備えの動き

これについて木地利光さんは「パックご飯などの米飯類は過去の災害でも販売が伸びた商品であり今回は、臨時情報を受けて備蓄用に購入したといえる。臨時情報の指定が広範囲だったため、地震が起きた九州だけでなくより広い範囲で備えの動きがみられた」と分析しています。

今後の見通しについては「ローリングストックとして購入した層もいるので、いったん備えが終われば地震後のような急激な購買行動は継続しないと考えられる」と話しています。

データの地域区分

東海…岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿…滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
四国…徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州…福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県

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