岡山市で娘の西田真愛ちゃん(当時6)を交際相手と虐待して2022年に死なせたとして、逮捕監禁致死と強要の罪に問われた母親の彩被告(36)側は20日、岡山地裁(本村暁宏裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で、虐待の客観的事実は認めるがほう助罪にとどまると主張した。

被告は「親としての責任があり、子どもを守れなかったのは事実。ただ自ら率先して(暴行を)やったわけではない」と述べた。

起訴状によると、彩被告は21年9月、交際相手だった船橋誠二受刑者(41)=両罪などで懲役14年確定=と共謀し、自宅で真愛ちゃんを全裸にして顔を殴ったり髪を引っ張ったりしたほか、鍋の中に長時間立たせて、手指を自分で口の中に入れて嘔吐(おうと)するよう強要した。布団を巻き付けて約1時間20分間押し入れに閉じ込め、22年1月に低酸素脳症で死亡させたとしている。

検察側は冒頭陳述で、虐待を実行したのは船橋受刑者だが、家庭内という密室で実母の彩被告による制止は可能で容易だったと指摘。「暗黙のうちに船橋受刑者と意思が通じ合っており、被告も犯行に重要な役割を果たした」と述べた。

弁護側は船橋受刑者が被告宅に監視カメラを設置し、被告の携帯電話を取り上げるなどしたため「精神的に支配され、虐待を止められなかった」と主張した。〔共同〕

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