円山動物園(札幌市)のアジアゾウ・タオが19日、1歳になった。タオの存在が、ゾウ本来の野生の姿である「群れ」としての飼育に良い影響を与えているという。

 ミャンマー語で「輝き」を意味するタオは、飼育員が同じエリアに入らない「準間接飼育」で誕生し、体重は115キロ(生後3日)から約1年で605キロまで成長した。「物おじしない、好奇心旺盛な性格」(飼育担当者)だという。

 2018年にミャンマーから4頭のゾウが来園。メスのパールとオスのシーシュの間に生まれた。野生ではメスを中心に群れを作るため、園でもメスの同居を進めたが、相性が合わずにけんかが起きることもあった。

 だが、タオが生まれてからは、他の2頭のメスも関心を示すようになった。生後1カ月からはパールとタオの親子に加え、ニャインとの同居を開始。4月にはシュティンを加えた4頭での生活が本格的に始まった。

 子ゾウのタオが警戒する声を出すと、大人の3頭が駆け寄るという「野生でみられる行動」(飼育担当者)をするようになり、タオも他の大人のゾウからコミュニケーションの仕方を学んでいるという。飼育担当者は「まだまだ成長過程のタオを楽しみに見守ってほしい」と話す。(古畑航希)

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