16日付で就任した今崎幸彦・最高裁長官(66)が同日、東京都千代田区の最高裁で記者会見し「司法の本質を踏まえながら、時代のニーズに適切に対応できるよう取り組んでいく。自分にできることを地道に、誠実に実行していきたい」と抱負を述べた。
国民の信頼を得るには、より多くの事件を扱う地裁や高裁などが重要として「裁判官や職員がのびのびと職務を全うできるようにするのが最高裁の大事な役割だ」と強調した。
裁判のデジタル化にも言及し「単に新たなツールを導入するだけでなく、審理や判断の質を向上させる一環としてこそ意味がある」と指摘。「法廷でのやりとりが活気と緊張に満ちたものになり、裁判官などの机から分厚い書類が一掃される情景を夢見ている」と語った。
今年で導入15年を迎えた裁判員裁判制度の創設にも関わった今崎氏。同制度について「国民のあたたかい理解と協力でおおむね順調に運営されている」としつつ、審理の長期化を課題として挙げた。「裁判員裁判は国民の負担の上に成り立っている。丁寧にやることは大事だが、制度運営のあり方を見直すことがあってもいい」とした。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。