赤まんまいくさの果てを見届けり
中村節也(96) 東京都北区
太平洋戦争での体験を話す中村節也さん=東京都北区で(川上智世撮影)
◆西洋音楽に熱中…「非国民」とののしられた
小学校時代の恩師の影響で西洋音楽に熱中し、バイオリンに打ち込んだ少年時代。ハワイ出身の歌手灰田勝彦さんの歌をよく聴いていたが、軍歌好きの学友などからは「非国民」とののしられ、石を投げられた。 宮沢賢治の名作「雨ニモマケズ」にある「玄米四合」の表現は、当時の配給制度に合わせて教科書では「玄米三合」に改変されていた。政府をうそくさく感じ、玉音放送を聴いた時は「やっと解放され、好きな作曲も自由にできるんだ」とうれしくなった。 同世代の学生は志願して出征し、多くが亡くなった。「戦争は本当に悲しいものです」(山口登史) ◇ ◇ 若者を兵器にする人間魚雷が保管された洞穴、空襲で犠牲になった友の家にあったサルスベリ…。今も残る場所や草木が、戦争を経験した人たちにいや応なく「あの日」を思い起こさせてきた。東京新聞が8月中に掲載している、読者が詠んだ「平和の俳句」。ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどで今も戦火がやまぬ中、つづられた「平和の俳句」には、悲しみ、怒り、不戦への願いが宿っている。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。