地殻変動や地震のメカニズムに詳しい京都大学防災研究所の西村卓也教授は、GPSなど衛星による観測データをもとに今月8日に日向灘で起きたマグニチュード7.1の地震を受けた大地の動き=地殻変動を分析しました。
地震の翌日の9日から12日にかけては震源に近い宮崎県南部を中心に最大1センチ程度大地が東側へ動いていて、周辺では地震活動に注意が必要だとする一方、南海トラフの想定震源域では目立った地殻変動は確認されませんでした。
その一方、西村教授は南海トラフ地震の想定震源域では着実にひずみをためていることに注意してほしいとしています。
南海トラフ地震の想定震源域では、四国や紀伊半島などでは年間4センチ前後のひずみがたまり続けているとみられています。
およそ80年前に南海トラフで起きた地震のあとから毎年このペースでひずみがたまっているとすると、すでにマグニチュード8クラスの地震を引き起こすエネルギーがあると指摘しています。
西村教授は「今回の日向灘地震そのものの影響は次第に小さくなるが、南海トラフ全体ではひずみがたまり次の地震への準備が進みつつあるので近い将来、巨大地震が発生することに変わりはない。地震の具体的な予測は難しくほとんどの場合臨時情報が出ないまま巨大地震が起こる可能性の方が高い。今回見直した地震への備えを、今後も続けていってほしい」と話しています。
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