展覧会を入るといきなりオバケ屋敷に…=立川市で
◆「会いたいおばけ」も「会いたくないおばけ」も
「オバケ?」展の会場に入って戸惑った。ここは美術館だよな? 目の前に広がるのは、おばけ屋敷。ヒュ~というおなじみの効果音が響くなか、たんすなどが置かれた暗い小道を歩く。化粧台の鏡には自分だけでなく正体の知れない何かが映り込みそうで、さっと通り過ぎた。 出ばなから身構える羽目になったが、続くエリアに登場するのは、絵本「おばけのバーバパパ」に登場するあのバーバパパ! ピンク色のボリュームたっぷりの体を自由自在に変える姿は愛らしく、テンションが上がった。怖い思いをした後はバーバパパと出会ってほっとする=立川市で
そんな「会いたいおばけ」がいる一方で「会いたくないおばけ」も。絵本「ねないこだれだ」を人気落語家の春風亭一之輔さんが朗読する部屋では、幼いころの恐怖を呼び覚まされた。◆身の回りのおばけ発見、自分がおばけになる展示も
「オバケ研究所」なるコーナーも。保湿用のフェースマスクやビニール手袋、ボウリングボール大のリンゴ…。ごく普通の日用品なのだが、見方によっては「おばけでは?」と思われる品々が置かれている。歩行者専用の道路標識に描かれた親子はニョロニョロとした体つきで、確かにおばけみたい!と納得。自分の身の回りでおばけを探してみるのも面白そうだ。「オバケ研究所」ではオバケにも見える品々を展示=立川市で
おばけ(らしきものを含む)が登場する絵本500冊がずらりと並んだコーナーがあり、圧巻だ。「おばけになってみたい!」という人には、水が苦手だという「オバケ銭湯」に入ることができる。水の代わりに発泡スチロールが敷き詰められ、ぬくぬくと身を浸すうち、ずぶずぶと沈んでいくのでご注意あれ。500冊ものおばけ絵本の展示は圧巻だ=立川市で
絵本や漫画、アニメや音楽、絵画、アニメーションなど、さまざまな形で表現されてきたおばけ。約20組のクリエーターが参加する本展は、子どもも大人も楽しめる内容だが、もしかしたら陽気(妖気?)な雰囲気に誘われて、オバケも見に来ていたりして。あなたもオバケになれる?「オバケ銭湯」の入り口=立川市で
PLAY!MUSEUM 立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟2階。JR立川駅、多摩モノレール立川北駅から徒歩10分。開館時間は午前10時~午後6時。会期中無休。一般1800円、大学生1200円、高校生1000円、中学生600円、小学生以下無料。立川市在住・在学者の割引あり。問い合わせは電042(518)9625へ。
◇ ◇◆原宿では浮世絵、川崎では岡本太郎の企画展
この夏、おばけにスポットを当てた展覧会が他にも開催されている。 太田記念美術館(渋谷区神宮前)では「浮世絵お化け屋敷」を9月29日まで開催中。歌川国芳や月岡芳年らが妖怪や幽霊を描いた浮世絵を展示。問い合わせはハローダイヤル050(5541)8600へ。 川崎市岡本太郎美術館(多摩区枡形)では「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」を10月6日まで開催中。「おばけの姿は日本人の自由な発想力が源」と考えた岡本の集めた資料や残した言葉を作品とともに紹介している。問い合わせは電044(900)9898へ。 休館日や料金などは各施設のウェブサイト参照。 ◆文・飯田樹与/写真・布藤哲矢 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へメールでお願いします。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。