東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を巡り、再稼働に必要な自治体の同意について、原発周辺の地方議員らの研究会が23日、県庁で記者会見し「30キロ圏の自治体の理解なしに再稼働しないよう国に要請する」との声明を発表した。研究会は同意が必要な対象自治体を、立地自治体だけでなく30キロ圏に拡大するよう求めており、近く資源エネルギー庁を訪れて要請する方針。

東京電力が柏崎刈羽原発7号機への核燃料の装塡を始めた15日に公開した作業の様子。手前は核燃料を保管するプール、奥の水中に原子炉圧力容器がある=東京電力柏崎刈羽原発で(東京電力提供)

◆「避難計画」が義務付けられた9自治体

 原発30キロ圏には立地する柏崎市と刈羽村のほか小千谷(おぢや)、上越、燕、十日町、長岡、見附の各市と出雲崎町の計9市町村があり、計約43万2000人が暮らす。  声明では、30キロ圏自治体は避難計画の策定が義務付けられ「住民の安全・安心の確保に責任を持つ立場」と指摘した。エネルギー基本計画では再稼働の際に「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」としており、立地自治体だけでなく、より広範囲での理解を必要としていると強調。東京電力や国に、30キロ圏自治体の理解なしに再稼働しないよう求めた。  研究会の関貴志・長岡市議は「3月に国から県や立地自治体に再稼働の要請があり最終段階にきている。危機感がある」と訴えた。  柏崎刈羽原発では原子炉に核燃料を装塡(そうてん)する作業が続き、23日午前7時現在で全872体のうち529体の装塡が終わった。(荒井六貴) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。