宇宙誕生の謎を探る次世代大型加速器について、欧州合同原子核研究所(CERN)のマキシム・ティトフ研究員が共同通信の取材に応じた。岩手・宮城両県の北上山地が候補地に挙がる国際リニアコライダー(ILC)を、技術面の準備や費用の国際分担を踏まえ「現実的で手が届く計画だ」と評価。日本政府は実現に向けて議論を先導すべきだと強調した。 ティトフ氏は7月に東京で開かれた加速器関連の国際会議のため来日した。取材は同月6日。 ILCについて「技術的にほぼ完成しており、決定すれば、すぐにでも建設に取りかかることができる」と評価した。 米政府諮問委員会は昨年末、大型加速器を建設するならILCか、CERNが計画する新型円形加速器(FCC)が最適だと評価する報告書を公表。ティトフ氏は「米国が大型加速器建設を支援するという非常に重要なメッセージだ」と強調。 特にILCについては米政府も日本が誘致することに非常に強い支持を示しているとし「日本政府は国際プロジェクトを主導するとの意思を示すべきだ」とした。
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