ユーチューバーの女性が、日本維新の会の足立康史・衆院議員の発言で名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(鈴木わかな裁判長)は23日、足立氏に慰謝料など33万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、足立氏は2021年6月の衆院内閣委員会での質疑で、女性がユーチューブで発信した内容について「ひどいデマ」などと発言。この質疑の一部に、女性の顔が分かる写真などを加えた動画を自身のユーチューブチャンネルで配信した。

 憲法51条は国会議員による国会発言について、国会の外で責任を問われないとする免責特権を定めるが、判決は、議員が国会での自身の発言をそのまま公表する行為も免責になると指摘した。ただ、足立氏の動画は、女性の名前などに触れていなかった国会質疑の動画に写真を加えており女性が特定できる点などから、免責の対象外と認定。「デマ」発言は「表現活動に携わる原告の社会的評価を低下させる」と判断した。(米田優人)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。