提言をまとめたのは、医師の数が少ない東北や北関東などの12県の知事で作る団体で、会長を務める岩手県の達増知事が厚生労働省と文部科学省に提出しました。

医療現場では、特定の地域や診療科に医師の数が偏り、地方の病院などで医師不足を引き起こす、いわゆる「医師の偏在」が深刻な問題となっています。

これについて今回の提言では、「偏在が極めて顕著になり、地域医療崩壊の危機的な状況にある」と指摘しています。

そのうえで、医師の少ない地域では、医学部の定員の増加や、卒業後、地元での勤務を義務づける「地域枠」の拡大や柔軟な運用を認めるよう求めています。

また、都道府県が医師を確保する対策を強化できるよう、国の財政支援を一層拡充するほか、国が対策を検討する際には医師が少ない県の意見を反映させることなどを求めています。

厚生労働省は今後、医師の偏在を解消するための具体的な対策を議論し、年末までに取りまとめることにしています。

岩手県 達増知事「理解はかなりあると感じた 大いに期待」

岩手県の達増知事は「医師不足の実態はきちんと議論されないままここまで来ているが、ことしの骨太の方針で医師の偏在対策が盛り込まれ、大きなチャンスと捉え要望を出させていただいた。厚生労働省は対策を検討中ということだが、問題への理解はかなりあるように感じたので大いに期待したい」と話しています。

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