東京電力は7日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の放射性物質のトリチウムを含む水について、通算8回目となる海洋放出を始めたと発表した。25日の終了を予定している。

福島第1原発=2021年撮影

 今回の放出量は7800トン。放出する処理水のトリチウム濃度は1リットル当たり20万ベクレルで過去最高。東京電力が定めた基準の100万ベクレルは下回る。放出時には海水で約740倍に薄め、国が設定する排水基準の40分の1未満にする。  一方、今年2月から実施した浄化処理前の汚染水の検査で、初めて放射性物質の「カドミウム113m」を検出した。濃度は1リットル当たり2.9ベクレル。これまでは検出限界値未満だったため、東京電力は注視していくとした。浄化処理によりカドミウムも取り除けるという。  東京電力によると、処理水放出に伴う風評被害への賠償件数は7月31日現在で約180件320億円に上る。  海洋放出は昨年8月に開始。本年度は4回目で、7回に分けて計約5万4600トンを放出する。(山下葉月) 

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