1992年5月、関脇で初優勝を飾り、賜杯を手にする曙=両国国技館で

 大相撲で史上初の外国出身横綱となり、格闘家としても活動した元横綱曙の曙太郎(あけぼの・たろう、旧名チャド・ローウェン)さんが4月上旬に心不全のため東京都の病院で死去した。54歳だった。日本相撲協会が11日に発表した。米ハワイ州出身。葬儀は家族葬で行う。関係者によると、闘病生活は7年に及んだ。  同じハワイ出身の東関親方(当時、元関脇高見山)にスカウトされて角界入りし、のちに兄弟横綱となった貴乃花、若乃花らと同じ1988年春場所で初土俵を踏んだ。2メートルを超える長身で、長い腕を生かした突き、押しを武器に番付を駆け上がり、92年夏場所後に大関に昇進。93年初場所後には第64代の横綱となった。  若貴兄弟らと熱戦を繰り広げて90年代の大相撲ブームをけん引し、優勝回数は史上10位の11回。96年4月に日本国籍を取得した。98年長野冬季五輪の開会式では横綱土俵入りを披露した。  2001年初場所後に現役を引退。曙親方として後進の指導に当たった。03年11月に日本相撲協会を退職し、格闘家に転向した。プロレスのリングなどに上がった。


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